歯の寿命を縮める歯ぎしり・食いしばりの改善方法
歯の寿命を縮める歯ぎしり・食いしばりの改善方法を現役歯科医師が解説
監修:歯科医師 安藤雄基(あんどう歯科・美容皮フ科)
歯の寿命を縮める原因はいろいろありますが、意外と気づいていないのが「歯軋り(歯ぎしり)」「食い縛り(食いしばり)」です。
もしかしたら、いわゆる「歯ぎしり」もしくは歯ぎしりの一種で、音のしない「くいしばり」をしているかもしれません。現在認められる、虫歯や歯周病を含めた口の中の症状や、全身の状態に少なからず影響を与えているかもしれないので、少しでもその症状を緩和し健康を維持することができればと思っています。
【目次】
「歯ぎしり」と「食いしばり」は病気ではない
心当たりがあれば、実践してみてください。必ず良い結果が得られるはずです。
「歯ぎしり」「食いしばり」は決して異常なものではありません。96%もの人がしているという報告もあります。一種の「くせ」と考えても良いと思います。
「歯ぎしり」と「食いしばり」が引き起こす問題
特に問題や症状がなければそのままで構わないですが、時には以下のような問題を起こす可能性があります。
歯への障害・・・・・歯の磨耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛む
歯周組織への障害・・歯肉炎、歯周疾患(歯周病=歯槽膿漏)の進行
顎関節への障害・・・顎関節痛、開咬障害、顎関節からの異音(クリック音)
全身への障害・・・・顔面痛、頭痛、肩こり、腕のしびれ、イライラ
その他・・・・・・・舌痛症、ムチウチ症状、倦怠感
「歯ぎしり」「食いしばり」の治療法
これらの症状が全て、「歯ぎしり」「食いしばり」からくるわけではありませんが、無用な悪い「くせ」は無くしておいた方が、良いと思います。この「くせ」は眠っていると気づきにくいものです。
治療法は、マウスピース(健康保険で作成できます)を使用する方法もありますが、道具に頼ってしまうといつまでもそれを使い続けなければなりません。道具に頼らずに、「歯ぎしり」「食いしばり」がやめられれば、それが一番良いと思います。
まず、日中の気付きから始めましょう
自分が「食いしばり」をしていることに気づく
仕事や趣味など夢中になっているとき、ふと気がつくとしっかり噛みしめていることに、気づくと思います。そんな時は、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、歯を噛み合わせないようにしましょう。
日中は何とかできるとして、問題は夜寝ているとき
寝ているときのことなど、無意識なのでコントロールできないと思われる方が多いと思います。しかし「明日の朝早く起きなければならない」と思って寝ると、不思議とその時間に目が覚めるという経験をしたことはありませんか?眠っている間も、体内時計と起きなければならないという意識が働き、正確にその時間に目が覚めるというかなり難しいことを私たちはできたりします。
ということは単に「上下のはを合わせないようにリラックスして眠る」と自己暗示を普段かけることで、意外と簡単に解決することがあります。成功の秘訣はどれだけくせを治す「その気」になるかです。
食いしばり予防のボトックス治療
当院では、食いしばり及びエラの痩身を目的としたボトックス治療を得意としています。皮膚科医の女性医師が治療しますので、安心して治療を受けられることが当院の強みです。
ボトックス(ボツリヌス)とは、ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除かれて抽出されたタンパク質の一種です。咬む筋肉を弛緩させる作用があるため、歯ぎしり・食いしばりに有効な治療法です。
ボトックスの効果には個人差がありますが、3ヶ月から6ヶ月の目安です。1度打ったからといって、効果が永続的に続くわけではありませんので、「歯ぎしり」「食いしばり」などが無くなってきたと実感できるまでは、定期的にボトックス注射をすることをお勧めします。
<あんどう歯科・美容皮フ科のDr紹介記事>
◇アクセス
あんどう歯科・美容皮フ科
〒466-0014
名古屋市昭和区東畑町1-40-9
052-734-7997
駐車場:6台