月齢別の離乳食の進め方【歯科医師が解説】
赤ちゃんのお口の発達と密接な関わりを持つ離乳食。進め方の順序やポイントをご紹介します。
3ヶ月ぐらいまで
離乳準備で気をつけること
生後2ヶ月ごろから、指しゃぶりやおもちゃしゃぶりが始まります。舌や唇を動かす動作ができ、これからスプーンなどの違った材質のものを受け入れていくための練習になります。ただし、なんでも口に入れてしまうため、赤ちゃんの口に丸ごと入ってしまうようなサイズのものは危険です。誤飲予防のため、赤ちゃんが手にすることのないよう気をつけましょう。
6ヶ月ぐらいまで
「上手に食べる」を引き出すだめに
スプーンは、食べ物をのせるくぼみの部分が浅いものを選びましょう。赤ちゃんはまだ唇を閉じる力が弱いので、深いスプーンだと食べ物を取り込めません。また、食事の姿勢も大切です。大人のひざの上に座らせ、きき手ではない方のてで赤ちゃんを支え、前のめりにならないようにしましょう。授乳時よりも背中をやや立たせ、胸の上や二の腕あたりに頭がくるようにします。バウンサーの場合は角度が45度ぐらいが良いでしょう。顔を見ながら食事をすることで安心感につながり、また口の動きなども見やすくなります。
9ヶ月ぐらいまで
「座って食べる」が大切な時期
お座りが安定してきたら、ベビーチェアなどを利用して食べさせてみましょう。かむ基礎ができるころであり、顎の発達に大切なの時期です。かむために力が入りやすくするため、床または乳児用椅子の補助板に子どもの足の裏がつくようにしましょう。また、繊維質の食材は、かみ切ることができず丸のみにつながってしまいます。丸のみををするとかむ力が養われないため、適した食材を選ぶことが大切です。しっかりかめているかは、赤ちゃんのお口の動きを観察して判断しましょう。
お誕生日ぐらいまで
食べたい気持ちを育む
この時期、まだ介助が必要ですが自分で食べる意欲がまし、手づかみ食べも始まります。手の機能が育ち、自分でスプーンなどを使うための練習になります。手を自由に動かせるようテーブルを使用するのがおすすめです。危なくないよう見守りながら手伝っていきましょう。選び食べがさかんになりますが、食べ物つかみ方や口への運び方など、さまざまな手と口の動きを学ぶ大事な時期です。周りは汚れてしまいますが、成長のためと割り切り、古新聞やビニールシートなどを敷き、汚れを防ぎつつ見守りましょう。
お誕生日を過ぎてから
食事の様子をよく観察
乳歯が増え、かむ力もしっかりしてきます。スプーンを使うお子さんも出てきます。食べ物の形状も大人と似てきますが、まだまだ軟飯にしたり、食材を柔らかめに煮たりする必要があります。食べにくそうなときは、水分を足したりトロミをつけたりしましょう。上手に食べていないのではと心配なときは、硬さや食材選び、空腹状態で食べているのか、生活のリズムの再確認をしましょう。自分で口に運んで奥まで入れてしまうお子さんはまる飲みしやすいので、見守りつつ手伝ってください。
まとめ
離乳食は赤ちゃんとの素敵なコミュニケーションの一環です。ママとしての喜びと赤ちゃんの成長を感じながら、楽しい食育を進めていきましょう。新しい発見や工夫を重ねながら、美味しい食べ物を通じて親子の絆を深めていきましょう。
<記事監修>
安藤雄基(歯科医師)
<経歴>
平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業
平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)
平成29年6月 オレンジ歯科クリニック勤務
令和2年7月 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック勤務
令和5年4月 名古屋市昭和区であんどう歯科・美容皮フ科を開業