保険の銀歯やプラスチックの詰め物・被せ物は歯の寿命を短くするって本当!?
歯の治療を受ける際、保険治療を安易に選ぶ方が多くいらっしゃいます。体の一部である大切な歯を確かな情報を得ずに治療を進めることは非常にもったいないです。今回は、保険治療と自費治療の違いについて詳しく解説しました。
【目次】
歯の治療をすると歯の寿命が短くなる
ご自身の「歯の一生」について考えたことがありますか?
どんなに小さい虫歯でも、一度虫歯になると歯の修復サイクルに入ってしまい、そのサイクルから抜け出すことはできません。しかし、「虫歯の再発を防ぐこと」また、虫歯になった場合も「早期に虫歯治療を行うこと」で、サイクルの初期の段階でとどめることができます。
歯の寿命を伸ばすための対策
詰め物・被せ物と歯の境目をきれいする
境目に汚れが溜まっていると、隙間ができたときに細菌が入り込み虫歯になってしまいます。
歯医者で定期検診とクリーニングを受ける
隙間ができるということは詰め物・被せ物の劣化や変形が考えられます。定期検診で、異常がないかチェックしてもらい、クリーニングを行い虫歯と歯周病の予防を行いましょう。
治療が上手な歯科医師に詰め物・被せ物の材料を変えてもらう
信頼できる歯科医師のもと、長持ちする材料で詰め物や被せ物を変えてもらいましょう。
歯科治療に関する正しい価値観を持つ
歯医者と患者さんとの間に生じている価値観に大きなズレがある
多くの患者さんがイメージする価値観
健康な歯を守るため、予防に努めることが大切です。定期的な検診とメンテナンスをして、死ぬまで美味しいご飯を食べられる健康なお口を目指しましょう。
保険の銀歯の寿命は平均5.4年
銀歯には寿命があります。お口の中の環境によりますが、平均5.4年と言われています。もちろんそれより早く外れてしまう場合もあれば、10年以上もつ場合もあります。
保険で使用する銀歯は、金、銀、銅、パラジウム、亜鉛、スズなどで合成された金属、金銀パラジウム合金が使用されています。保険治療で目的とするのは、生活する上で支障がない最低限度の治療です。最新の技術や歯科材料が開発されている中、銀歯は50年以上作り方や治療方法が変わっていません。
保険の銀歯で使用されている金銀パラジウム合金は、他の金属に比べて溶けやすい性質があります。お口の中は熱いものや冷たいものから、酸性やアルカリ性のものが入ってきます。また自分と同じ体重ぐらいの強い力で噛んで食べるなど、とても過酷な環境下です。特に、酸性のもの(炭酸ジュースや酸味のある食べ物、口腔内細菌が産出する代謝物)は歯を溶かす性質があるのですが、実は金属も溶かしてしまいます。銀歯が腐食すると金属イオンが溶け出し、全身に回り金属アレルギーを発症するリスクが高まります。また、熱が加わることで収縮と膨張を起こし、1〜2mm程度の薄いものに1日2000回程の咬む力が加わるので、確実に変形していきます。
また、銀歯を装着する際に使用する接着剤も保険で認められているものしか使用できません。ほとんどの歯医者で使用している接着剤はグラスアイオノマーセメントで、水に長時間触れると溶けてしまう性質があります。そのため、歯と銀歯に隙間があると接着剤が溶け出し、外れたり虫歯になる原因となります。
保険のプラスチック治療の寿命は平均5.2年
保険のプラスチック治療は、治療を担当する歯科医師の技術と患者様の治療後のケア状況によって寿命が大きく変動します。平均は5.2年と言われていますが、銀歯より壊れやすく、表面が粗く汚れがつきやすいため、早くて2〜3年で、割れたり虫歯になるケースが多く見られます。特に歯と歯の間にプラスチック治療を行うと高確率で周囲の歯を虫歯にします。
技術力の高い歯科医師であれば、歯との適合性を限界まで高め、寿命を大きく伸ばすことが可能ですが、治療時間は保険治療と比べて倍近くかかりますし、非常に繊細なテクニックを必要とするため、自由診療で行う先生がほとんどです。
プラスチックは時間と共に徐々に劣化し、変色します。治療直後は白くて気にならないですが、変色して黒ずみができると口元や笑顔の印象を悪くします。
保険治療の虫歯の再発率は80%を超える3つの理由
恐るべき数字ですが、これは事実だと思います。
歯科先進国とされているスウェーデンにあるイエテボリ大学のアクセルソン博士が行った研究の結果によると、人が30年の間にかかる虫歯のうち、なんと80%は虫歯の再発だったそうです。
せっかく治療したのに数年後に再発してしまう、しかも以前に治療したときに削っている分、以前より悪化しているケースがほとんどです。
ではなぜ国が定める保険治療の虫歯の再発率がこんなにも高いのでしょうか?理由は大きく3つあると考えます。
①保険の材料は汚れがつきやすい
保険適用で決められた詰め物・被せ物の材料である銀歯やプラスチックは、自由診療で使用されるセラミックより汚れがつきやすいです。そのため、治療が完了しても汚れがついたままにしておくと虫歯が再発する可能性があります。
②治療にじっくり時間をかけられない
国の定めた保険診療報酬が低く、保険治療に時間をかけてしまうと歯医者は経営的に厳しくなります。自由診療に比べてどうしても短時間の作業となり、精度の高い治療をしたくてもできない事情があります。丁寧な治療を好まれる方は、自由診療に力を入れている歯医者を選択した方が良いでしょう。
③保険専門の歯科技工士と自費専門の歯科技工士の違い
保険治療は銀歯やプラスチックなど特定の材料しか使用できません。保険の修復物の単価は国が定めており、歯科技工士は収益を上げるためには生産数を増やし、コストを削減するしかありません。その結果、保険の修復物は作成時間が短く低コストで仕上げられ、歯との適合や形が悪かったりと品質が落ちる傾向にあります。
自費の修復物の場合、価格を自由に設定できるため収益を得やすく、使用する材料の制限がないため、作成時間を長くしコストを上げても採算がとれます。しかし、単価が高い分、高品質なものを求められます。技術力がないと作成を依頼する歯医者から注文されません。自費専門の歯科技工士が作成する修復物は、歯との適合が良く、トラブルが少ない高品質なものが仕上がってくる傾向にあります。
銀歯を実際に取ってみると
10年前に治療した銀歯を除去したときの動画です。銀歯を除去した歯の中は虫歯で真っ黒です。そして、両隣の歯も虫歯になっているのが分かります。
あんどう歯科・美容皮フ科のセラミック治療
セラミック治療の10年生存率は90%以上と言われています(※)。当院では、セラミック治療に力を入れています。高い技術力を持つ歯科医師とそれを支える仲間があなたの歯をお守りします。セラミック治療について詳しく知りたい方は下記のバナーをクリックしてください。
※参考文献:Survival Rate of Resin and Ceramic Inlays, Onlays, and Overlays: A Systematic Review and Meta-analysis2016 Aug;95(9):985-94. doi: 10.1177/0022034516652848. Epub 2016 Jun 10.
保険治療後のイメージ
セラミック治療後のイメージ
セラミック治療の実際の症例
自費診療をもっと身近に
デンタルローンのご紹介
当院のデンタルローンを活用する3つのメリット
1.手元に資金がなくても妥協のない歯科治療を受けられる
デンタルローンを利用できれば、貯金を取り崩すことなく自由診療を受けることができます。
2.支払い計画が立てやすい
当院が導入する「アプラス デンタルローン」は患者様ご自身で支払いプランを決めることができます。返済額や支払い利息を事前にシミュレーションし、無理のない支払い計画を立てることができます。
3.金利が低い
当院は12回払いまで金利手数料0円でご契約できます。
また車や家と違い金額が大きくないため、12回以上の支払い設定にしても少ない利息の支払いで済みます。
例えば、セラミックの詰め物3本の場合
60,500円×3=181,500円
24回払いのデンタルローンをご契約した場合
月々のお支払いは、初回7,500円、12回目以降7,684円となります。そのうちの利息分は2,208円です。
まとめ
スマートフォンの寿命は一般的に3~4年、車の寿命は10年程度、家に関しては木造で30~50年と言われています。物は買い換えることができますが、歯は「一生」使い続けます。歯は見た目と健康維持に欠かせない、ご自身の体の一部です。私は歯科医師として、治療した歯を少しでも長持ちさせたい一心で丁寧に診療しております。当院の特徴を知ってもらい、今後の歯科治療において役立つ情報の共有ができて嬉しく思います。
<記事監修>
安藤雄基(歯科医師)
<経歴>
平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業
平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)
平成29年6月 オレンジ歯科クリニック勤務
令和2年7月 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック勤務
令和5年4月 名古屋市昭和区であんどう歯科・美容皮フ科を開業