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2024.01.04歯科BLOG

歯ぐきの炎症が糖尿病を招く?歯周病と全身疾患の関連とは?

歯ぐきの炎症が糖尿病を招くって本当?

今回は歯周病と全身疾患の関連についてお話しします。歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があることをご存知でしょうか?近年の研究から、歯周病と全身疾患の間には密接な関係があることが示唆されています。


歯周病と全身疾患の関連とは

中高年の9割かかっているといわれている歯周病。この歯周病が全身疾患と関係があることが研究で分かっています。歯周病の原因は、歯垢(プラーク)の中の細菌です。歯垢の多くは歯磨きで除去されますが、取り残しがあると細菌は歯ぐき周りの組織を破壊し、進行すると出血したり腫れたりするなどの症状が出ます。これが歯周病です。

歯周病は初期段階では自覚症状がない場合がほとんどで、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)が深くなるとさまざまな症状を引き起こし、炎症が続く状態になります。炎症で生じる毒性物質が血管に入り、病気の発症や悪化させる原因となるのです。

 

歯周病にかかるとこんな悪影響が…

代表的な疾患に糖尿病があります。歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれてきましたが、近年、歯周病の悪化が糖尿病の症状を悪化させる逆の関係が分かってきました。

血管内に入った歯周病金は免疫作用で死滅しますが、その死骸が持つ毒素が血糖値に悪影響を与え、インスリンの産生を低下させるのです。

反対に歯周病治療による慢性炎症の改善は、内毒素の現象につながり、その結果インスリンの抵抗性や、血糖コントロールが改善されたとの研究が報告されています。

糖尿病以外にも心臓や脳血管疾患、誤嚥性肺炎などが関係し、歯周病の治療は全身疾患の悪化予防やリスク低下につながるのです。

 

お口の健康は全身の健康に影響

2022年に行われた調査(*)によるとお口の健康と全身の健康との関係性はあまり知られていないようです。

*全身の健康とお口の健康に関する事柄認知(健康を維持するうえで、歯や口の健康が欠かせないと思っている人,n=9.058)出典:歯科医療に関する一般生活者意識調査 2022

全身の健康のためにもしっかりと歯とお口のケアをしましょう!

 

予防と対策

歯周病と全身疾患の関連性を考えると、予防が非常に大切です。お口の健康を維持するための対策をいくつか紹介します。

  • 定期的な歯科検診:定期的な歯科検診とクリーニングは、歯周病の予防と管理に役立ちます。
  • 適切なオーラルケア:歯磨きや歯間ブラシを適切に使用し、歯垢をしっかりと除去しましょう。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事は、歯と歯ぐきの健康をサポートします。
  • 禁煙:タバコは歯周病のリスクを高めます。禁煙を心掛けましょう。

まとめ

歯周病は単なるお口の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。定期的な歯科検診と適切なオーラルケアの習慣は、健康的な未来のために必要不可欠です。気になる症状があれば、早めに歯医者さんに相談してみましょう。


あんどう歯科・美容皮フ科

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<記事監修>

安藤雄基(歯科医師)

<経歴>

平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業

平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)

平成29年6月 オレンジ歯科クリニック勤務

令和2年7月 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック勤務

令和5年4月 名古屋市昭和区であんどう歯科・美容皮フ科を開業