歯科BLOG

2024.01.05歯科BLOG

お口の中の脱メタルでQOLの向上へ【レジン、CAD/CAMインレー・クラウンで治療するメリットとデメリット】


歯科治療で活躍するレジン

今回紹介するのは、歯の治療に使用される材料についてです。

虫歯などによって欠損部分ができてしまったとき、比較的欠損が少ない場合は、罹患部を除去後、レジン(プラスチック樹脂)で修復します。

最近は操作性の良さからほとんどのケースで光硬化型重合レジンを使用します。レジンは近年、耐久性や審美性が大きく向上し、前歯から奥歯まで全ての歯に適応できます。保険治療で対応できるため、治療費を抑えられることもメリットの一つです。

 

レジンを使用した修復治療メリットとデメリット

メリット

自然な見た目:レジンは歯の色に調整できるため、治療後も自然な見た目が維持されます。他の人からはほとんど気づかれないので、美しい笑顔を取り戻せます。

歯の削除量が少ない: 銀歯と比べて、レジンは歯を削る量が少ないため、 歯のダメージが小さくてすみます。これにより、歯の強度が保たれ、健康的な状態を維持できます。

1回で治療が終わる: レジン治療は比較的シンプルで、通常は一回の診療で完了します。そのため、即座に不快感を取り除くことができ、患者様の生活に影響を与えにくいです。

金属アレルギーの心配がない: 金属を使用しないため、金属アレルギーを持っている方でも安心して治療を受けることができます。

デメリット

耐久性の課題: レジンは金属よりも弱い素材であり、耐久性には限界があります。大きな修復が必要な場合や、食いしばりや歯ぎしりが強い方には向かないかもしれません。

変色の可能性: 一般的な飲食物により、レジンが変色する可能性があります。

ケースや歯科医院によって自費治療になる: レジン治療は他の方法よりも高額なことがあります。保険が適用されない場合、治療費についてしっかりと確認する必要があります。

重度な虫歯や複雑なケースには不向き:虫歯が進行している場合や、歯の神経治療が必要な場合には、他の治療法が適していることがあります。


歯科材料の脱メタル化へ

中程度の虫歯でレジンでは強度的に不足すると思われるときは、型をとって技工所で作成するつめものを使用します。つめものの材料は金銀パラジウム合金が一般的ですが、審美性と金属アレルギー、貴金属の価格高騰などへ対応するため代替材料の開発が進み、強化レジンブロックを材料とするつめもの(CAD/CAMインレー)も保険適応となりました。

重度の虫歯で神経を取った場合、歯が折れたり割れたりしやすいため、全体に被せることが一般的です。このかぶせものはクラウンといわれ、金属を使用することが多かったのですが、つめものと同様の理由から強化レジンブロックを材料としたかぶせもの(CAD/CAMクラウン)も保険適応となりました。

また金属を使う場合でも貴金属ではなくチタンや銀合金を使用する歯科医院もあります。

 

CAD/CAMインレー・クラウンのメリットとデメリット

メリット

自然な見た目:CAD/CAMで作成されたインレーとクラウンは、銀歯と違い白く自然な見た目で修復できます。金属を使用しないため、見た目も美しく金属アレルギーの心配もありません。

金属アレルギーの心配がない: 金属を使用しないため、金属アレルギーを持っている方でも安心して治療を受けることができます。

デメリット

専門的な知識と技術が必要:歯科医師は治療をするために特別な知識と技術が必要です。そのため、すべての歯科医院で提供されているわけではありません。

耐久性の課題: 強化レジンは金属よりも弱い素材であり、耐久性には限界があります。大きな修復が必要な場合や、食いしばりや歯ぎしりが強い方には向かないかもしれません。

歯を削る量が多い:耐久性を確保するため、金属で修復するケースに比べて歯を削る量が多くなる傾向があります。

変色の可能性: 一般的な飲食物や喫煙により、変色する可能性があります。

虫歯の再発率が高い:強化レジンとはいえ、素材はレジンに変わりありません。レジンは吸水性があり、経年的に物性が劣化していきます。レジンの表面は健康な歯に比べると粗造で汚れが付着しやすく、適切なケアやメンテナンスをしないと虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。


まとめ

今後、歯科材料は脱メタル化の方向へ進むと思われます。しかし、耐久性や予後、メンテナンスのしやすさなどいくつかデメリットがあります。治療を受ける際、どの材料で修復するか必ず歯医者さんと相談して、理解した上で治療を進めましょう。


あんどう歯科・美容皮フ科

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<記事監修>

安藤雄基(歯科医師)

<経歴>

平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業

平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)

平成29年6月 オレンジ歯科クリニック勤務

令和2年7月 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック勤務

令和5年4月 名古屋市昭和区であんどう歯科・美容皮フ科を開業