歯のセルフケアに大切なこと|オーラルフレイルは全身老化につながる
歯のセルフケアで大切なことは三つあります。
一つ目に大切なことは「口の中を自分でよく観察すること」です。
口を開けて、自分の歯や舌など、口の中をじっくり見ることはありますか?
食べる、飲む、話すなどお口という臓器は多くな重要な役割を持っています。定期的に体の健康診断を受けていても、歯の健診に行かない方が多く見られます。歯磨きは一日3回欠かさず行なっているのに、汚れがしっかり取れているかをチェックしている方はほとんどいません。これでは効果があまり得られないです。化粧をする時、髭を剃る時、必ず鏡を見るように、歯磨きの前や後に、鏡を見ながらお口を開けて歯や口の粘膜、舌をチェックする習慣を身につけてもらえればと思います。
二つ目に大切なことは、「自分に合った歯のケアを知る」ことです。
歯並びが悪い、複雑な被せ物をしている部分、インプラントや入れ歯などをお使いの方はなおさら、専用の清掃ツールを使用して汚れをためない工夫が必要です。歯医者や歯科衛生士からのアドバイスを参考にして、自分に合ったセルフケアを行うことがとても重要です。
口から食道へ入るものが気管に誤って入ってしまうことを誤嚥といいます。健康寿命を短くする一因に「誤嚥性肺炎」があります。この原因は、気管や肺に唾液や食べ物が一緒に悪い細菌を送ってしまうことです。悪い細菌というのは、「歯周病菌」が関わっています。つまり、年齢を重ねるごとにお口のケアが自身の健康寿命を左右する要因となるということです。髪や肌を大切に扱うのと同様に、歯や歯ぐきも存分にいたわって下さい。
三つ目に大切なことは、「歯の知識をアップデート」することです。これまでに行なってきたセルフケアが果たして効果的なのか、正しいのかをぜひ歯科医や歯科衛生士に相談してみて下さい。歯ブラシや歯磨き粉の選び方、フロスの使い方、洗口剤の必要性など、完璧だと思っていたケアも今一度確認してみて下さい。子供の頃に教わった歯ブラシの持ち方がそのままの方もいらっしゃいます。
オーラルフレイルは全身の老化につながる
歯のケアの重要性は、口の中だけにとどまりません。「糖尿病」と「歯周病」は相互的に影響を及ぼし合うことは、一般的に知られています。他にもお口の病気と全身の病気とは密接な関係があると証明されています。例えば、歯周病のある人はない人に比べて高血圧の発症頻度が高いという報告もあります。
噛めない、むせるといった些細なお口の老化があると、食事内容を軟らかいものしか受け付けなくなり、それが栄養の偏りや、体力の低下につながるという考え方も一般的になってきました。そのため、お口の老化「オーラルフレイル」が全身の虚弱を招くというメカニズムが認知されてきたことにより、最期まで食べられるお口を保とうという活動も活発になってきています。
現在の歯科医療は「歯を守る」目的で、さまざまな治療技術がアップデートされています。虫歯ができたら歯を大きく削って詰め物をする、そして悪くなったら早めに抜歯をするという昭和の治療は根本的に見直され、劇的に進化しています。
「痛い」、「怖い」など歯医者さんに悪いイメージを持たれる方が少なからずいらっしゃると思います。歯科医や歯科衛生士はあなたの健康を守る強い味方です。勇気を出して、一度歯医者さんに足を運んでみてはいかがでしょうか?
<記事監修>
安藤雄基(歯科医師)
<経歴>
平成25年3月愛知学院大学歯学部卒業
平成25年4月岐阜県立多治見病院研修医(歯科)
平成29年6月オレンジ歯科クリニック 勤務
令和 2年7月おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック 勤務
令和5年4月名古屋市昭和区であんどう歯科・美容皮フ科を開業
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