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歯科矯正の痛みを和らげる対処法〜専門医が教える即効テクニック
歯科矯正中の痛みはなぜ起こる?その仕組みを理解しよう
歯科矯正を始めると、多くの方が「思ったより痛い」と感じることがあります。私が日々の診療で患者さんからよく聞く悩みの一つです。
歯が動く痛みは、実は歯が正しい位置に移動するために必要なプロセスなのです。
矯正装置を装着すると、歯に持続的な力がかかります。この力によって歯の周りの組織、特に歯根膜と呼ばれる部分に圧力がかかり、骨の吸収と再生が起こるのです。この過程で炎症反応が生じ、それが痛みとして感じられます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの場合、装置の調整後2〜3日が最も痛みを感じやすい時期です。その後は徐々に和らいでいき、1週間程度で慣れてくることがほとんどです。
矯正中に感じる痛みは主に3種類あります。
- 歯が動くときの痛み(鈍い痛みや歯が浮いたような感覚)
- 装置が口腔内の粘膜に当たる痛み(口内炎のような痛み)
- 食事の際に噛むことで生じる痛み
それぞれの痛みに対して、効果的な対処法があります。痛みを理解することで、より快適な矯正治療を進めることができるのです。

歯科矯正の痛みを和らげる即効性のある7つの対処法
矯正治療中の痛みは避けられないものですが、適切な対処法を知っておくことで、かなり和らげることができます。ここでは、私が臨床経験から効果的だと実感している方法をご紹介します。
1. 冷やす方法で炎症を抑える
歯の痛みは炎症反応によるものなので、患部を冷やすことで痛みを和らげることができます。保冷剤や氷を薄い布で包み、痛みを感じる頬の部分に当てましょう。
特に調整直後や痛みが強い時期に効果的です。ただし、長時間冷やしすぎると歯の移動が遅くなる可能性があるため、10分程度を目安に行いましょう。
2. 食塩水でうがいをする
温めの食塩水でうがいをすることで、痛みを和らげる効果があります。食塩水は浸透圧の変化をもたらし、炎症を軽減するのに役立ちます。
コップ1杯のぬるま湯に小さじ半分程度の塩を溶かし、1日に数回うがいをしましょう。特に就寝前に行うと、夜間の痛みを軽減する効果が期待できます。
3. 歯茎のマッサージで血行を促進する
指の腹を使って、痛みを感じる部分の歯茎を優しくマッサージすることで、血行が良くなり痛みが和らぐことがあります。
清潔な指で円を描くように優しくマッサージしましょう。強くこすると逆効果になるので、痛くない程度の力加減が大切です。電動歯ブラシを使った振動も、マッサージ効果があります。
4. 矯正用ワックスで粘膜を保護する
ワイヤー矯正の場合、装置が頬や唇の内側に当たって痛みを感じることがあります。そんな時は矯正用ワックスが役立ちます。
ワックスを小さくちぎり、乾いた状態の装置に押し付けるように付けましょう。装置の角が丸くなり、粘膜への刺激が軽減されます。歯科医院で処方してもらえますので、必要な方はお申し付けください。
5. 柔らかい食べ物を選ぶ
矯正装置の調整後は、硬い食べ物を噛むと痛みが増すことがあります。そのため、調整後2〜3日は柔らかい食べ物を中心に食事をすることをおすすめします。
おかゆ、スープ、豆腐、ヨーグルト、パンなど、噛む力をあまり必要としない食品を選びましょう。また、小さく切って食べることも効果的です。
ただし、柔らかい食べ物ばかり続けると顎の筋肉のバランスが崩れる可能性があるため、痛みが落ち着いてきたら徐々に通常の食事に戻していくことが大切です。
6. 痛み止めを適切に使用する
どうしても痛みが強く、日常生活に支障をきたす場合は、市販の痛み止めを服用することも一つの方法です。
ただし、長期間の使用は歯の移動を遅らせる可能性があるため、必要最小限にとどめましょう。また、お子さんの場合は、必ず医師に相談してから服用してください。
痛み止めは調整直後に予防的に服用すると、痛みのピークを抑える効果が期待できます。
7. アロマテラピーを活用する
最近の研究では、特定のアロマの香りが歯科矯正時の痛みを和らげる効果があることが分かってきています。特にラベンダーやペパーミントのアロマが効果的とされています。
アロマディフューザーを使って部屋に香りを広げたり、ハンカチに数滴たらして香りを嗅いだりする方法があります。リラックス効果もあるので、痛みによる不快感の軽減に役立ちます。

歯科矯正の種類別・痛みの特徴と対処法
矯正治療にはいくつかの種類があり、それぞれ痛みの特徴が異なります。ここでは主な矯正方法ごとの痛みの特徴と、それに合わせた対処法をご紹介します。
ワイヤー矯正の痛みと対処法
ワイヤー矯正は、歯に直接ブラケットを付け、ワイヤーで連結する従来からの矯正方法です。
この方法では、ワイヤーの調整後に強い痛みを感じることがあります。また、装置が頬や唇の内側に当たって口内炎ができやすいという特徴があります。
対処法としては、矯正用ワックスを活用して装置の角を保護することが効果的です。また、口内炎ができてしまった場合は、市販の口内炎治療薬を使用するのもよいでしょう。
装置装着直後は特に違和感が強いため、柔らかい食べ物を選び、小さく切って食べることをおすすめします。
マウスピース矯正の痛みと対処法
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす方法です。ワイヤー矯正に比べて痛みは少ないとされていますが、新しいマウスピースに交換する度に痛みを感じることがあります。
マウスピース矯正特有の対処法としては、新しいマウスピースへの交換を就寝前に行うことが挙げられます。睡眠中は痛みを感じにくいため、朝起きる頃には痛みのピークを過ぎていることが多いのです。
また、マウスピースの縁が歯茎に当たって痛む場合は、歯科医院で調整してもらうことが大切です。自己判断でマウスピースを削ると、効果が損なわれる可能性があります。
子どもの矯正治療における痛みへの対応
お子さんの矯正治療では、痛みに対する不安や恐怖心が大きいことがあります。そのため、痛みへの対応だけでなく、心理的なサポートも重要です。
痛みがあることを事前に説明し、「これは歯が正しい位置に動いている証拠」と前向きに捉えられるよう声かけをしましょう。また、お子さんが好きな柔らかい食べ物を用意しておくと安心です。
お子さんの場合、痛み止めの使用については必ず医師に相談してください。また、定期的に矯正装置の状態をチェックし、問題があれば早めに歯科医院を受診することが大切です。
いつ歯科医院に相談すべき?我慢してはいけない痛みの見分け方
矯正治療中の痛みは、ある程度は正常なプロセスの一部です。しかし、中には歯科医院に相談すべき痛みもあります。どのような場合に受診を考えるべきか、見分け方をご紹介します。
通常の矯正痛と異常な痛みの違い
通常の矯正痛は、装置の調整後に始まり、徐々に和らいでいくのが特徴です。痛みは鈍い痛みや圧迫感として感じられることが多く、1週間程度で落ち着きます。
一方、以下のような痛みは通常とは異なるため、歯科医院に相談すべきサインです:
- 2週間以上続く強い痛み
- 突然の鋭い痛み
- 特定の歯だけが極端に痛む
- 噛むと電気が走るような痛み
- 痛みに加えて歯ぐきの腫れや出血がある
これらの症状がある場合は、装置のトラブルや他の歯科疾患が隠れている可能性があります。早めに歯科医院に連絡しましょう。
装置のトラブルによる痛みと対処法
矯正装置自体のトラブルによって痛みが生じることもあります。例えば、ワイヤーが外れて頬を傷つける、ブラケットが剥がれる、マウスピースにひびが入るなどです。
このような場合は、応急処置として矯正用ワックスで鋭利な部分を覆い、早めに歯科医院を受診しましょう。自己判断で装置を調整したり、外したりすることは避けてください。
特にワイヤーが頬や舌を傷つけている場合は、清潔な指や消毒した道具で優しく元の位置に戻し、ワックスで保護した上で受診することをおすすめします。
痛みの記録をつけて診察時に伝える
矯正治療中に感じる痛みの状況を記録しておくと、次回の診察時に医師に正確に伝えることができます。
痛みを感じた日時、痛みの強さ(10段階評価など)、痛みの種類(鈍い、鋭い、ズキズキするなど)、痛みを感じる状況(食事中、特定の動作時など)を記録しておきましょう。
この情報をもとに、医師はあなたに合った調整方法や対処法を提案することができます。痛みに我慢せず、積極的に相談することが快適な矯正治療につながります。

痛みを最小限に抑える矯正治療の進め方
矯正治療中の痛みは避けられないものですが、治療の進め方によって痛みを最小限に抑えることは可能です。ここでは、痛みを抑えながら効果的に矯正治療を進めるコツをご紹介します。
治療計画の段階的な進行
矯正治療は一度に大きく歯を動かすのではなく、少しずつ段階的に進めることが重要です。急激な力をかけると強い痛みを感じるだけでなく、歯根の吸収など望ましくない結果を招くことがあります。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、無理のない治療計画を立てています。特に痛みに敏感な方には、より緩やかな力で歯を動かす方法を選択することもあります。
治療計画について不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。あなたの生活スタイルや痛みへの耐性を考慮した計画を一緒に考えていきましょう。
定期的なメンテナンスの重要性
定期的な通院とメンテナンスは、矯正治療の成功だけでなく、痛みの軽減にも重要です。予約をキャンセルしたり、長期間通院しなかったりすると、装置の調整が不適切になり、余計な痛みを感じることがあります。
また、定期検診では装置の状態をチェックし、必要に応じて調整を行います。これにより、装置のトラブルによる痛みを予防することができます。
特に痛みが気になる方は、次回の調整をどの程度行うか、事前に医師と相談することも大切です。
セルフケアの習慣化
日々のセルフケアを習慣化することで、矯正治療中の痛みや不快感を軽減することができます。
まず、丁寧な歯磨きと口腔ケアを心がけましょう。装置の周りに食べかすや歯垢が溜まると、炎症を引き起こし痛みの原因になります。矯正用の歯ブラシや、歯間ブラシ、ウォーターフロスなどを活用し、装置の周りもしっかり清掃しましょう。
また、硬い食べ物や粘着性の高い食品は避け、装置に負担をかけないよう心がけることも大切です。装置が破損すると、余計な痛みを感じるだけでなく、治療期間が延びる原因にもなります。
まとめ:痛みを乗り越えて理想の歯並びを手に入れるために
矯正治療中の痛みは、理想の歯並びを手に入れるための通過点です。この記事でご紹介した対処法を活用して、できるだけ快適に治療を進めていただければと思います。
矯正治療の痛みは一時的なものであり、多くの場合1週間程度で慣れてきます。また、治療が進むにつれて痛みを感じにくくなることも多いです。
痛みへの対処法をまとめると:
- 冷やす・食塩水でうがい・歯茎マッサージなどで炎症を抑える
- 矯正用ワックスで粘膜を保護する
- 柔らかい食べ物を選ぶ
- 必要に応じて痛み止めを使用する
- アロマテラピーでリラックス効果を得る
- 異常な痛みは早めに歯科医院に相談する
そして何より大切なのは、定期的な通院と日々のセルフケアです。矯正治療は医師と患者さんの二人三脚で進めるものです。不安なことや疑問点があれば、遠慮なく相談してください。
痛みを乗り越えた先には、美しい歯並びと健康的な口腔環境が待っています。あんどう歯科・美容皮フ科では、患者さん一人ひとりに寄り添った矯正治療を提供しています。矯正治療をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しい情報や矯正治療についてのご質問は、あんどう歯科・美容皮フ科までお気軽にお問い合わせください。皆様の素敵な笑顔のために、私たちができることを精一杯サポートいたします。
<記事監修>

安藤雄基(歯科医師)
〒466-0014
愛知県名古屋市昭和区東畑町1丁目40−9
平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業
平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)
平成27年6月 東海市 小島歯科室 勤務
平成29年6月 名古屋市緑区 オレンジ歯科クリニック 勤務
令和 2年7月 名古屋市中川区 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック 勤務