TOPICS
新着情報
歯科BLOG
セラミックが取れても慌てない!歯科医師が教える対処術
セラミックが取れた!その時どうする?
突然、口の中で何かが欠けたような違和感を感じたことはありませんか? 食事中や何気ない瞬間に、せっかく治療したセラミックの歯が取れてしまうことがあります。そんな時、多くの方がパニックになりますが、実は冷静に対処すれば問題ありません。
セラミックは見た目の美しさと耐久性を兼ね備えた素材ですが、様々な理由で脱落することがあるのです。強い衝撃を受けたり、噛み合わせの問題があったりすると、接着が外れてしまうことも。
私は歯科医師として多くの患者さんのセラミックトラブルに対応してきました。この記事では、セラミックが取れた時の正しい対処法から、歯科医院を受診するまでの応急処置、さらには再発防止策まで詳しくお伝えします。
焦らず適切に対応すれば、取れたセラミックを再利用できる可能性も高いのです。まずは基本的な知識を身につけて、いざという時に慌てないようにしましょう。

セラミックが取れる主な原因とは?
セラミックが取れてしまう原因は実はいくつかあります。日常生活の中で知らず知らずのうちに負担をかけていることも多いのです。
まず最も多いのが「噛み合わせの問題」です。セラミックを装着した後、時間の経過とともに噛み合わせが変化することがあります。特に就寝中の歯ぎしりや食いしばりがある方は、セラミックに過剰な力がかかり、接着が弱くなってしまうことも。
次に「接着剤の劣化」が挙げられます。セラミックを固定するセメントは経年変化により劣化することがあります。特に装着から5年以上経過している場合は注意が必要です。
食習慣による影響
硬い食べ物を頻繁に噛む習慣も要注意です。特に氷を噛む、固いナッツ類を頻繁に食べる、フルーツの種を噛んでしまうといった行為は、セラミックに大きな負担をかけます。
また、粘着性の高いキャラメルやグミなどの食品も、セラミックを引っ張る力が働き、脱離の原因となることがあります。
食習慣を見直すことで、セラミックの寿命を延ばすことができるのです。
セラミックの種類と寿命
セラミックにも様々な種類があり、それぞれ特性が異なります。一般的なオールセラミックは審美性に優れていますが、ジルコニアセラミックはより強度が高く、奥歯などの負担がかかる部位に適しています。
セラミックの平均的な寿命は10〜15年程度と言われていますが、メンテナンスや使用状況によって大きく変わります。定期的なメンテナンスを受けている方は、20年以上問題なく使用できることも珍しくありません。
取れてしまったセラミックの状態を確認することで、原因を特定し、再発防止につなげることができます。
セラミックが取れた時の応急処置法
セラミックが取れてしまった時、すぐに歯科医院に行けないこともあるでしょう。そんな時のために、応急処置の方法を知っておくことが大切です。
まず最も重要なのは、取れたセラミックを無くさないことです。口から出したら、すぐに清潔なケースや濡れたティッシュに包んで保管しましょう。決して乾燥させないでください。
次に、露出した歯の部分を舌や頬で強く触らないようにします。鋭利な部分があると口内を傷つける恐れがあります。
自宅でできる応急処置
市販の義歯用接着剤を応急的に使用することもできますが、あくまで一時的な対処法です。長期間使用すると、後の治療に影響することがあるので注意が必要です。
また、露出した歯が痛む場合は、冷たいものや熱いものを避け、市販の鎮痛剤を服用するのも一つの方法です。ただし、痛み止めの効果は一時的なものなので、早めに歯科医院を受診しましょう。
食事の際は、取れた部分とは反対側で噛むようにし、柔らかいものを選ぶと良いでしょう。また、清潔を保つために、露出した部分を優しく磨くことも大切です。
絶対にやってはいけないこと
取れたセラミックを自分で接着しようとするのは絶対にやめましょう!
市販の接着剤や瞬間接着剤を使用すると、歯の表面に残った接着剤が後の治療を困難にし、最悪の場合、歯を傷める可能性があります。
また、取れた部分をそのまま放置するのも良くありません。歯の露出部分が虫歯になるリスクが高まりますし、周囲の歯が移動して噛み合わせが変わってしまう可能性もあります。
応急処置はあくまで「応急」です。できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

歯科医院での適切な対応と治療
セラミックが取れたら、できるだけ早く歯科医院を受診することをお勧めします。通常、1週間以内であれば、取れたセラミックを再装着できる可能性が高いです。
歯科医院では、まず取れたセラミックと歯の状態を詳しく検査します。セラミック自体に問題がなければ、歯の表面を清掃し、新しい接着剤で再装着することができます。
この再装着処置は比較的短時間で終わることが多く、多くの場合1回の来院で完了します。
再製作が必要なケース
取れたセラミックにヒビが入っていたり、欠けていたりする場合は、再製作が必要になることがあります。また、土台となる歯に虫歯ができていたり、破折していたりする場合も同様です。
再製作の場合は、型取りをして新しいセラミックを作製するため、通常2〜3回の来院が必要になります。その間は仮の詰め物や被せ物で保護します。
当院では、患者さんの歯の状態に合わせて最適な治療法をご提案しています。特に「痛くない・抜かない・削らない」を基本方針としており、可能な限り既存のセラミックを活かす方法を検討します。
費用と保険の適用について
セラミックの再装着は、元々の治療が保険適用外(自費診療)であれば、再装着も自費診療となることがほとんどです。費用は医院によって異なりますが、再装着であれば比較的リーズナブルな価格設定のところが多いです。
一方、再製作となると、新たにセラミックを作製する費用がかかります。ただし、装着後短期間で外れた場合は、医院の保証期間内であれば無料や割引価格で対応してくれることもあります。
不安な点があれば、受診時に歯科医師や受付スタッフに相談してみましょう。

セラミックが再び取れないための予防策
せっかく修復したセラミックが再び取れないようにするためには、日頃のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。
まず、就寝時のマウスピース(ナイトガード)の使用をお勧めします。特に歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、無意識のうちに大きな力がセラミックにかかっています。マウスピースはその力を分散させ、セラミックを保護する効果があります。
また、硬いものを噛む習慣がある方は、その習慣を見直すことも大切です。特に氷を噛んだり、固いナッツ類を頻繁に食べたりすることは避けましょう。
正しいブラッシングとケア方法
セラミックと天然歯の境目は、プラークが溜まりやすい場所です。この部分を丁寧に清掃することで、二次虫歯を予防し、セラミックの寿命を延ばすことができます。
フロスや歯間ブラシを使用して、セラミックの周囲を清掃することをお勧めします。また、歯ブラシは硬すぎるものを使用すると、セラミックと歯の境目を傷つける可能性があるため、柔らかめのものを選びましょう。
歯磨き粉も研磨剤の強いものは避け、フッ素配合の優しいものを選ぶと良いでしょう。
定期検診の重要性
セラミックの状態を定期的にチェックすることで、問題が大きくなる前に対処することができます。通常、半年に1回程度の定期検診をお勧めしています。
定期検診では、セラミックの接着状態や噛み合わせのチェック、周囲の歯肉の健康状態などを確認します。また、プロフェッショナルクリーニングを受けることで、自分では落としきれない汚れを除去することができます。
「痛くなってから」ではなく「痛くならないために」歯科医院を利用する習慣をつけることが、長くセラミックを使い続けるコツです。
まとめ:セラミックトラブルを乗り越えるために
セラミックが取れてしまった時は、パニックにならず冷静に対応することが大切です。取れたセラミックを保管し、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
セラミックが取れる主な原因は、噛み合わせの問題や接着剤の劣化、食習慣などです。これらを理解し、適切な予防策を講じることで、再発リスクを減らすことができます。
特に就寝時のマウスピース使用や正しいブラッシング、定期的なメンテナンスは、セラミックの寿命を延ばす重要なポイントです。
当院では、セラミック治療に関する様々なご相談を承っております。「メタルフリー治療」を推進し、金属アレルギーの心配がなく、自然な見た目と高い耐久性を実現するセラミックやジルコニアを使用した治療を提供しています。
セラミックトラブルでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
美しく健康な歯を長く維持するためのサポートを、私たちあんどう歯科・美容皮フ科は全力で行ってまいります。
詳細な情報や予約については、あんどう歯科・美容皮フ科の公式サイトをご覧ください。皆さまのご来院を心よりお待ちしております。
<記事監修>

安藤雄基(歯科医師)
〒466-0014
愛知県名古屋市昭和区東畑町1丁目40−9
平成25年3月 愛知学院大学歯学部卒業
平成25年4月 岐阜県立多治見病院研修医(歯科)
平成27年6月 東海市 小島歯科室 勤務
平成29年6月 名古屋市緑区 オレンジ歯科クリニック 勤務
令和 2年7月 名古屋市中川区 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック 勤務